今回の記事では、橋を検査するために設置されている、
・検査路とハシゴ
について、解説していきます。
検査路設置の目的
一般道の信号待ち、ふと上見上げると、橋に何か通路がついてる。
検査路って言います。
その名の通り、橋を検査するために設置されています。
橋脚についているのは、主に支承(ししょう)部分を検査するためです。
支承というのは、「支えを承る」
字がそのまま役割を説明しているんですが、橋桁(はしげた)を支える重要な役割をしています。
橋脚上にモルタル(コンクリのようなもの)、鉄板、ゴム板(ゴム支承)と設置していき、その上に桁が乗っかっています。
ゴム板は、タイヤのゴムみたいに柔らかいものではありませんが、ブリジストンなどのゴムメーカーが作っています。
車の走行方向と同じように検査路が設置されています。
こちらは、橋の裏側や橋そのものを主に検査・点検するためです。
橋桁の上に、床版と呼ばれる鉄筋コンクリート、その上にアスファルトを敷いて、その上を車で走っているわけです。
コンクリートは衝撃により、クラック(ひび割れ)などが起きやすいために、点検して補修箇所を見つけます。
橋桁本体にも、塗装のはがれ、ボルト付近の腐食などがないかを点検します。
検査路の素材は鋼材に溶融亜鉛メッキを施したものになります。
最近では、軽量で設置しやすい、FRP製のものもあるようです。
昔、地下鉄開業前の駅ホームで、検査用の梯子を見つけた時に、そこの梯子はステンレス製だったんです。
ステンレスは、鋼材に比べて単価が高くて、橋梁では、ボルトのワッシャーやナットぐらいにしか使ってなかったように記憶しています(昔のことだから忘れているだけかも…)
そこで、
私:梯子はステンレスですか?
と聞いたら、
地下鉄の担当者:そうだよ。
当たり前でしょ?的に答えてくれて、びっくりして、
私:メッキじゃダメなんですか?
と言い返し、相手もびっくりさせてしまった記憶があります。
雨風にさらされるわけじゃないから、メッキでもいいかなと素直に思ったんですけどね。
はしごの漢字は、「梯子」
梯子の由来は、諸説有りですが、新入社員だったころ、上司の小話で聞いたのは、
「兄と弟で比べると、弟の方が背が低い。はしごは昔、木製だったから、低いところから高いところへ行くという意味で、木へんに弟とかいて梯。図面でタイトルをつけるときは、「梯子」とかくことが多い。」
らしいです。
橋梁で設置されている、検査路へ行くための梯子は地上から数メートルあけてあります。
簡単に登っていけないようにするためです。
検査をするときには、梯子を持ってきます。
地上から数メートルというのは、発注者、つまり国や各都道府県などで、設計に微妙な違いがあります。
なので、同じものだから、図面コピペしちゃえ!はダメです。
微妙な違いや改正してあったりするので、その都度確認が必要です。
ちなみに、図面コピペして、直せば使えるかなぁと思ったら、1から書き直しだったなんて、フツーにあります。
まとめ
今回は、検査路と梯子について、考察しました。
橋を安全に走行するために、保守・点検はとても大事です。
皆様の安全を願って、今日もご安全に。
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